このページの目次
相続登記とは
相続登記とは、不動産の所有者であり、不動産の登記名義人であった方が亡くなり、不動産の登記名義を相続人に書き換える手続のことです。
そもそも不動産は、法務局(登記所)という国の役所で管理している登記簿(不動産登記簿)によって所有者等の権利関係を管理しています。
登記簿は土地や建物ごとに用意されており、所有者として住所と氏名が登記(記載)されています。
例えば、不動産を売買や贈与などにより取得した場合は、登記簿に記載されている前所有者の住所と氏名を買主や譲受人に変更してもらうことが一般的です。
このような手続を不動産登記手続と言います。
この不動産登記手続のうち、不動産の名義人が亡くなったことにより、相続人の住所と氏名に書き換える手続のことを、相続登記と呼んだりしています。
少し不思議かもしれませんが、売買などにより所有者が変わったとしても所有者を変更する不動産登記手続を行うか否かは当事者の自由となっています。これを、当事者申請主義といい、仮に所有者が変更していることを国が把握したとしても、国(法務局)が勝手に名義を書き換えることはありません。
これは、相続登記にも当てはまります。
相続登記の義務化
相続によって所有者に変更があったとしても、当事者からの登記申請がない限り登記名義が変わることはありませんでした。
ただし、売買と相続では少し事情が違います。
すなわち、売買の場合は、登記名義が前所有者のままになっているのは、なんとも気持ちが悪いものです。そのため、いくら当事者の自由だといっても、名義書き換えをすることが多いでしょう。
一方、相続では、他人に売却してしまったわけではありませんから、売買ほどの緊急性はなく、むしろ、利用価値の低い土地などは、わざわざ面倒な手続をする必要性が無かったとも言え、相続登記をしないまま放置している事例が散見されました。
そのような土地が増える中で2011年に東日本大震災が起き、その後の復興事業を行うことになりましたが、多数の土地で相続登記が行われていなかったため、土地の所有者がわからずに復興事業の妨げとなったと言われています。
このように、相続登記などが行われていないため、登記簿から所有者が判明しない土地=所有者不明土地は、九州の面積ほどあると言われています。
そこで、今後、所有者不明土地を増加させないためにも、相続登記に関しては特別なルールを設けて、登記申請を義務化することとなりました。
これが2024年(令和6年)4月1日の相続登記の義務化です。
相続登記の義務化は、所有者不明土地を解消していくことが大きな目的です。
そのため、今後発生する相続はもちろん、これまでに生じた相続登記も対象となる点が大きな特徴です。
義務化の内容としては、おおむね相続の時より3年以内に相続登記を行わなければならないというものです。
また、すでに相続が生じているものについては、義務化開始から3年以内に相続登記をする必要があります。
また、相続登記の義務化には罰則も設けられています。
3年以内の義務を果たしていない場合は、10万円以下の過料(ペナルティー)を科される可能性があります。
相続登記業務は当事務所にお任せください
当事務所では、相続登記に関する相談を承っております。
相続登記を行うためには、戸籍の収集、相続人の調査、遺産分割協議書の作成、不動産登記申請書の作成、不動産登記申請など、いくつものハードルがあります。
また、戸籍自体はなじみがある書類ですが、相続登記では、自分の戸籍だけでなく親や祖父母の一生涯(出生から死亡まで)の戸籍が必要なことも珍しくありません。明治や大正時代の戸籍は、形式や内容も今とは全く異なります。
相続自体、何度も経験するものではなく、相続登記も多くの方にとって初めての手続になるかと思います。
インターネットではいくらでも情報にアクセスできるようになりましたが、情報があふれている分、どの情報が自分に適しているのかを見極めることが難しくなっている部分もあるかもしれません。
当事務所では、皆様のご事情に応じた相続登記のお手伝いをいたします。
どうぞお気軽にお問い合わせください。