相続登記の不動産評価額はどこで調べる?必要書類と取得方法

相続登記で不動産の評価額が必要なのはなぜ?

ご家族が亡くなられ、不動産の名義変更(相続登記)の手続きを進めようとすると、「不動産の評価額」という言葉を目にすることがあるかもしれません。「なぜ、不動産の評価額を調べる必要があるのだろう?」と疑問に思う方も少なくないでしょう。

その理由は、相続登記を法務局に申請する際に「登録免許税」という税金を納める必要があるからです。この登録免許税の金額は、相続する不動産の評価額を基に計算されます。

つまり、登録免許税の正確な金額を算出するために、その計算の基礎となる不動産の評価額を証明する書類が必要になるのです。

多くの方がつまずきやすいのが、「どの書類で」「いつの時点の」評価額を調べればよいのか、という点です。この記事では、その具体的な方法を分かりやすく解説していきますので、ご安心ください。

相続登記で使う不動産評価額の調べ方【2つの方法】

相続登記の登録免許税を計算する際に使用するのは、「固定資産税評価額」です。これは、市町村が固定資産税を計算するために定めている評価額のことで、一般的に3年に1度見直されます。

この固定資産税評価額を調べる方法は、主に2つあります。まずは手軽な方法から確認してみましょう。

相続登記の不動産評価額を調べる2つの方法、「課税明細書」と「固定資産評価証明書」を比較した図解。

方法1:固定資産税の「課税明細書」で確認する

最も簡単で費用もかからないのが、この方法です。固定資産税の「課税明細書」は、毎年4月〜5月頃に市町村から送られてくる「固定資産税・都市計画税 納税通知書」に同封されています

まずは、亡くなられた方宛てに届いた郵便物の中に、この納税通知書がないか探してみてください。

課税明細書が見つかったら、不動産(土地・家屋)の所在などが記載された項目の中にある「価格」または「評価額」という欄を確認します。この金額が、固定資産税評価額にあたります。

方法2:「固定資産評価証明書」を取得する

「納税通知書や課税明細書が見つからない」「相続財産に非課税の私道が含まれている」といった場合には、市区町村の役所で「固定資産評価証明書」を取得します。

これは、不動産の評価額を公的に証明する書類です。相続登記を行う場合、登記申請書に固定資産の価格(課税価格)を記載する必要がありますが、評価証明書の添付が必須ではない場合もあります。取得方法の詳細は、後ほど詳しくご説明します。

【重要】いつの評価額が必要?登記申請年度の証明書を用意

ここが、相続登記で最も注意すべき重要なポイントです。登録免許税の計算に使う固定資産税評価額は、「相続が発生した日」のものではありません。

法務局に相続登記を申請する「年度」の評価額が必要になります。

固定資産税は賦課期日(原則1月1日)を基準に課税関係が決まりますが、実務上「○年度」の証明書は4月1日から翌年の3月31日までの年度区分で取り扱われることが一般的です。この「4月1日」をまたぐかどうかで、必要となる証明書の年度が変わるため、十分な注意が必要です。

相続登記で必要な固定資産評価証明書の年度は、登記申請日が4月1日をまたぐかどうかで変わることを示す図解。
  • 例1:2026年(令和8年)3月31日に登記申請する場合
    → 2025年度(令和7年度)の固定資産評価証明書が必要
  • 例2:2026年(令和8年)4月1日に登記申請する場合
    → 2026年度(令和8年度)の固定資産評価証明書が必要

新しい年度の固定資産評価証明書は、原則としてその年の4月1日から取得可能になります。登記申請のタイミングをよく確認し、正しい年度の書類を準備するようにしましょう。

習志野市・八千代市での固定資産評価証明書の取得方法

ここでは、習志野市と八千代市で固定資産評価証明書を取得する際の具体的な手続きについてご案内します。

習志野市で取得する場合

習志野市では、市役所の窓口で証明書を取得できます。相続人が申請する際には、亡くなられた方との関係が分かる書類が必要になります。

申請窓口・市役所 資産税課(市庁舎GF階/グラウンドフロア)・各支所、連絡所
必要なもの・窓口に来る方の本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)・手数料(1通300円)・(相続人の場合)被相続人の死亡の事実と、申請者が相続人であることが分かる戸籍謄本など
備考郵送での請求も可能です。事前に市役所に必要書類を確認するとスムーズです。
習志野市での固定資産評価証明書の取得概要

八千代市で取得する場合

八千代市でも同様に、市役所の窓口で証明書を取得できます。必要書類を事前に準備して窓口へ向かいましょう。なお、各支所・連絡所でも受け付けはできますが、即日交付は市役所のみです。

申請窓口・市役所 資産税課(2階)・各支所、連絡所
必要なもの・窓口に来る方の本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)・手数料(1枚300円)・(相続人の場合)被相続人の死亡の事実と、申請者が相続人であることが分かる戸籍謄本など
備考郵送請求も可能です。詳細は市のホームページで確認できます。
八千代市での固定資産評価証明書の取得概要

より詳しい情報については、八千代市の公式ウェブサイトもご参照ください。

参照:八千代市の税務証明書について

手続きが難しいと感じたら、一人で悩まずご相談ください

ここまで、相続登記に必要な不動産評価額の調べ方について解説してきましたが、「やはり手続きが複雑で難しそうだ」「戸籍謄本などを集める時間がない」と感じられた方もいらっしゃるかもしれません。

相続手続きは、評価額の調査だけでなく、戸籍の収集や遺産分割協議書の作成など、多くの時間と手間がかかります。もし少しでもご不安な点や不明な点がございましたら、一人で抱え込まず、ぜひ司法書士和久咲法務事務所へお気軽にお問い合わせください。

皆様の心のつかえが取れるよう、丁寧にお手伝いさせていただきます。

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