2024年4月より相続登記が義務化されました。
2024年4月以降に生じた相続はもちろん、それまでに生じていた相続も義務化の対象となっています。そのためでしょうか。最近、法務局(登記所)が混雑しているように感じます。
とはいえ、実際に法務局に行っても人であふれかえっているということはありません。
それは、登記申請や登記事項証明書(登記簿謄本)の申請がオンラインや郵送で行われていることが多く、実際に法務局の窓口に行って申請などを行っている人が少ないからだと思われます。
では、どこで法務局の混雑具合を感じるのか?
それは、登記申請から登記完了までの期間です。
登記(相続登記などの不動産登記)とは、簡単に言えば、登記簿の書き換えのことです。
相続登記でいえば、不動産の所有者が亡くなり相続が生じたので、登記簿に記載されている所有者の名義を書き換えてほしい、というものです。
この登記=書き換え作業って、実は、わりと時間がかかります。引っ越しをしたときは市役所などで住所変更の手続きをしますが、その際の書き換えは多くの場合、即日に行ってもらえると思います。しかし、登記は事情がことなります。
早くても1週間、時間がかかる場合は1か月以上のこともあり得ます。
法務局は管轄といって、担当エリアが決まっています。大都市と地方の法務局では当然取り扱い量が異なります。
私が日ごろ申請することが多い法務局はおおむね10日~2週間程度のことが多いです。1週間くらいだと早いなーと感じます。
ところが、最近は1か月近くかかることも珍しくない感じがします。
理由はよくわかりませんが、相続登記の義務化が一因になっているような気もします。
いずれにしても、登記には時間がかかるということは気に留めておかれるとよいと思います。
例えば、相続登記とはいっても、不動産の売却を前提としたものもあります。
父が亡くなった後、自宅の不動産を売却しようと思ったら、父名義のままだったので、売却するために父から子への相続登記が必要であったような場合です。
この場合、売却までに相続登記を必ず終わらせておく必要があります。
ところが、あまりにタイトなスケジュールを組んでしまうと、相続登記が間に合わないということもあり得ます。
と、言うのも、先の1か月ほどかかっているというのは、あくまでも登記申請から登記完了までの期間です。
相続登記の申請をするには、その前に戸籍謄本などのいろいろな書類を準備しなければなりません。ケースによりますが、事前準備に最低1か月程度、スムーズにいっても2~3か月かかることが多いです。相続人間にトラブルなどがあれば、以上かかります。
不動産の売却をするときなどは、相続登記の目途が付いてから動くことも多いかと思いますが、登記期間が長めになっていることは留意点の一つかと思います。
「登記はすぐに終わらない」
これはぜひ覚えておいてください。